オートキャド(AutoCAD)のプロには作図の効率化、もっと分かりやすく表現すると作図のスピードが求められます。
その理由はやはり時間とお金にあって…という話を前回は考えてみました。
せっかく仕事をすることで利益をあげようとしているのに、時間がかかってしまった事が原因で会社としては赤字になる。
これは会社として非常に困る状態なので、出来るだけそんな状況にならないように、作図する方にはスピードが求められる事になります。
もちろん仕事はそんな簡単な計算で成り立っている訳ではありません。
誰かを育てる為に色々と説明をしたり、会社としての考え方を統一する為に打合せをしたりなど、作図以外の時間というのはかなり多くなってくるはずです。
そうした必要な時間に対して「今やっている事はお金に結びついてない」などと考えるのは、あまりにも狭い考え方だと思います。
前回の話はそうした部分を考えず、単純に図面の単価と作図する方の時給という計算しかしていないので、極端に分かりやすい話になっています。
とは言っても、オートキャド(AutoCAD)を使って図面を描く方には、作図スピードが求められる理由は伝わったのではないかと思います。
いくらでも時間をかけて良いのであれば、恐らくほぼ100%に近い完成度の図面を仕上げることは誰にでも可能でしょう。
だってとことん図面を見直す時間があるし、それを手直しする時間も無限にある訳ですから、いくらでも完成度は高める事が出来ます。
でも実際の仕事ではそんな夢みたいな条件など存在しません。
・いつまでに図面が欲しい
・図面の単価はこれくらい
・図面修正であれば何時間くらいかかるか
そうした前提条件が仕事では必ずあるので、それを守る為にはどうしても効率良く作図・修正していく事が求められる訳です。
与えられた条件と限られた時間の中で出来る限り完成度を高めていく、という事が必要になった際には、やはり操作スピードがどうしても必要なんですね。
プロとして求められる事を逆に考えると、オートキャド(AutoCAD)の操作スピードがあれば、仕事を続ける上で大きな武器になるとも言えます。
そうした武器を持っていると、仕事で困ることは少なくなっていく、という考え方も出来る。
この違いは結構大きなものがあります。
プロとして必要だからとか、求められるからという理由でオートキャド(AutoCAD)のスキルを高めていくのではなくて…
オートキャド(AutoCAD)のスキルを高めることが、今後仕事をしていく上で自分にとって大きな武器になっていくという感覚を持つ。
それが出来れば、きっとそれほど苦労する事もなく自分のスキルを高めていくことが出来るのではないかと思います。
会社の為に頑張るというのは少し違っていて、やっぱり自分の将来の為に頑張る方が分かりやすいし、その方が絶対に頑張りやすいですから。
そうしてオートキャド(AutoCAD)のスキルを高めていくと、会社から評価される事も増えてくるし、もしかしたら給料が高くなる可能性もある。
そうするとモチベーションが上がってさらにスキルを高めていきたい気持ちになっていく。
仕事でオートキャド(AutoCAD)を使う以上、そんな感じの良いスパイラルに入って自分のスキルを高めていった方が得になる事が多いはず。
損得勘定で仕事をする事に違和感を感じる方もいるかも知れませんが…
せっかく長いスパンで仕事をしていく訳ですから、やっぱりある程度評価されながら頑張った方が絶対に良いと思います。