AutoCAD(オートキャド)のスキルを高めていくためには、毎日少しずつでも勉強を積み重ねていくやり方が効率的。
前回はそんな話をしましたが、これはもう何というか当たり前すぎる話で、わざわざ書くような内容ではないかも知れません。
誰もが知っているような話だけど、それを実行するのは難しい。
「早起きは三文の得」という言葉は大抵の方が知っていて、早起きして自分のために時間を使うことの有効性もきっと分かっている。
だけど実際に早起きして仕事のための勉強をしている方は、恐らくそれ程多くはないのではないかと思います。
これは私を含めた大抵の方が感じていることではないでしょうか。
やった方が良いけれど、やらなくてもそこまで困らない、というレベルの行動というのは、かなり意識しないと継続するのは難しいんです。
これは実際にやってみると「三日坊主」という言葉を実感するはず。
やらなくても誰にも怒られないし、短いスパンで考えれば仕事で困るようなことも全然ない。
そう考えると、わざわざ継続して勉強しなければならない、というような動機付けは全然弱いんですよね。
だからこそ、それをやることに価値があるとも言えますが…
どこまでそうした行動が必要になるのかは人それぞれでもあって、必ずやった方が良いとも言えないのが難しいところです。
今回はそうしたあまり明確な答えがなさそうなことについて考えてみます。
■慣れてこその経験者
AutoCAD(オートキャド)の機能について毎日少しずつ勉強したり、効率が良い操作について毎日考えたりする。
そして場合によっては一緒に仕事をしている人に、それぞれどんなやり方をしているかを聞いてみたりもする。
こうした行動は、常に意識していないと継続しないもので、言ってしまえば「結構疲れること」でもあります。
そしてもちろん時間もかかります。
時間に限りがある中で、そこまでするべきなのか。
これは人によってそれぞれ状況が違ってくるので、それをまとめて「やるべき」とは言えないのが正直なところです。
当サイトはAutoCAD(オートキャド)のスキルアップを情報として扱っているので、そこだけにフォーカスすれば「やった方が良い」になります。
だけどCADはあくまでもツールであって、実際にはそのツールを上手く使って仕事をすることが目的です。
ツールを上手く使うことだけが目的なら「毎日そのことを考えるべき」になるんですけど…
そこは通過点で目的地じゃないんですよね。
ある程度AutoCAD(オートキャド)のスキルを身に付ければ、あとは無意識に使うことが出来るようになります。
つまり、特に頭を使わなくても図面を描く操作をすることが簡単に出来るようになる、ということ。
なので、初心者でこれから勉強を始めるという方は、まずこの段階を目指して勉強していくことをお勧めしています。
そのための知識は当サイトで色々と書いているので、ある程度は知識という意味で役に立ってくれると嬉しいです。
あまり考えなくても図面を描いたり修正したり出来る。
この段階が「AutoCAD(オートキャド)が使える」というレベルなのだと私は思っています。
線を引いたり消したりすることは、幾つかのコマンドを知っていれば出来ることではあります。
だけど、それだけでは「使える」とは言えなくて、それは単に「操作することが出来る」という状態なんですよね。
その状態からもう少し進歩して、線を引こうと思った瞬間に「LINE」コマンドを実行している。
しかも他の人よりも早くそれを実行出来る、という状態にするためにスキルを磨く訳です。
と、少し話が逸れてしまいそうですが…
毎日AutoCAD(オートキャド)について考えて知識を高めていくことと、あまり考えなくても使えるようになることは結構矛盾してますよね。
■目的がどこにあるか
あまり考えずにAutoCAD(オートキャド)を操作出来た方が、絶対に疲れないし操作スピードも早い。
そして何より、他のことを考える余裕も出てきます。
仕事としては恐らくその方が良いというか、そうした余裕が仕事では求められる場合が結構あるはずです。
仕事は大抵の場合図面を描いたり修正するだけでは済まなくて、打合せしたりとか納期を考えたりとか、色々な要素が絡むはずなので。
複数人数で同じプロジェクトをやっている場合は、もうすぐ誰の手が空きそうとか、そうしたことも考える必要があります。
もちろんそこは立場によって違ってきますが…
そんな中で「AutoCAD(オートキャド)の機能とか設定が…」とかに時間をたくさん取っていく。
これは仕事としてあまり好ましい状態ではない場合も多いです。
仕事を頼む側としても、CADのスキルは高めて欲しいとはもちろん思いますけど、その前に頼んだ仕事をしっかりやって欲しい。
スキルアップは仕事を間違いなくこなした上で、優先順位としてはその次にくる話になると思います。
仕事を頼む側が仕事の完了を目的としていて、頼まれる側が仕事で使うツールのスキルアップを目的としている。
こうしたギャップがあるとあまり仕事は上手くいきません。
仕事でもなんでも同じだとは思いますが、依頼する側とされる側が同じ目的地を見据えていないと、大抵の場合はお互いに不満が出るものです。
仕事は依頼する側のニーズに応えるのがプロなので、この場合は依頼された図面をきっちりまとめるのが第一になるでしょう。
AutoCAD(オートキャド)のスキルを高めるのは、その仕事をこなすことを前提でやっていくしかありません。
そうした色々なことを考えると、毎日AutoCAD(オートキャド)のことを考えるのが難しいという話には結構説得力がありますよね。