AutoCAD(オートキャド)のスキルを高めた後、そのスキルを生かして在宅勤務が出来れば、満員電車に乗らなくて済むし通勤時間も有効に利用出来る。
そんな思いを抱きながら仕事をしていった結果、最終的には自分の知識はきっと足りないと感じて在宅勤務を諦めることになりました。
今思い出してみるとかなり安易な動機付けだったなと感じますが、当時はその目標に向けてかなり真剣に努力をしていました。
だから諦めた時はちょっとショックだったし、その先どんな目標を設ければ良いのかで悩んだりもしました。
でも、その悩みはそれほど長くは続きませんでした。
私が次に目標とすべきなのは、在宅勤務を諦めた要素でもある「図面についての知識が少ないこと」を解消することではないかと思ったんです。
プロとして必要なもので、今の自分に足りないものは何かを考えると、答えはすぐに出ました。
AutoCAD(オートキャド)のスキルは恐らく大抵の方に負けない程度のレベルにあるし、今以上に進歩はするけれど、例えば極端な話として今よりスピードが倍になることはありません。
であれば、AutoCAD(オートキャド)のレベルは維持しつつも、それにプラスアルファとして図面の知識を身に付ければ強力な武器になるのではないか。
そんなことを考えた訳です。
なによりも、今の環境でずっと仕事を続けていったとして、5年後に自分がどんな仕事をしているのかを想像した時に、正直あまりワクワク出来なかった。
それならば今の環境を変えた方が良いのではないか、と思ったんです。
慣れた会社や周囲の環境を変えるのは大変なので、出来ればそんな苦労はしたくないという気持ちもかなり大きかったのは確かです。
しかし動かないことによる損失というか、そのままでいることの損失も考えた時に、やはり大変だとしても動いた方が良いと判断しました。
結果として私は建築関連の専門的な図面を描く仕事に就くことになり、またそこから自分の知識とスキルを高めるために勉強を始めました。
自分が知らないことを仕事にする訳ですから、上手くいかないのが当然というか、もう全然ダメというのが普通というか…
とにかくあまりにも自分って仕事が出来ないんだな…という状況で色々な知識を吸収していくしかありませんでした。
ただ、そんな厳しい状況であっても、AutoCAD(オートキャド)のスキルはいつも私の強力な武器であり続けてくれました。
建築に関する知識は全然ないけどやる気と覚える気持ちがあるし、AutoCAD(オートキャド)だけは早くて正確。
そして若い。
これが当時の私が持っている武器でした。
かなり苦労もしましたけど、苦労をするだけの価値がある面白い仕事だと思っていたので、勉強自体は全然苦ではありません。
だからというべきか、数年経過した時点で「何とか仕事は出来るんじゃないか」程度のレベルまでたどり着くことが出来ました。
建築の仕事はとても奥が深くて楽しくて、これを書いている今でも勉強は継続しています。
でも、仕事としては軌道に乗っている状況ではあると思います。
新しい分野に挑戦することで、5年後に今と全く同じ仕事をしているかも…という不安を打ち払うことが出来たんじゃないかと思っています。
AutoCAD(オートキャド)を覚えた時に、当時の仕事をそのまま継続するという楽な道を選ばなくて良かったとも思います。
これは私が周囲の人に恵まれただけの話で、それはもう幸運としか言いようがないのですが…
幸運をつかみ取る決断をするのは自分自身なので、単純に幸運だけではないと思いたいです。