オートキャド(AutoCAD)を使って図面を描く際には、どれくらい早く作図が完了したかよりも、どれくらい間違いのない正確な図面なのか、という方が重要になってくる。
前回はそのような作図スピードと正確さについて考えてみました。
正確な図面という目的地は、その図面を使う方の視点で考えていますよね。
作図スピードを早くするという目的地は、短時間で図面を作図することを目指す訳ですから、結局は作図する側の視点でしかありません。
ちょっと極端な考え方をすると…
図面を実際に見る側にとっては、その図面がどれくらい短期間で作図されたかという要素にはそれほど興味はないんですよね。
あまりにも短時間で作図されたと聞くと、逆に「大丈夫なの?」と思ってしまうかも知れません。
そう考えると、どちらがより重要なのかは一目瞭然ではないかと思います。
もちろん作図スピードも正確さも、どちらも重要な要素であることは間違いないので、こうした比較をする必要などないのかも知れませんが…
何を目指して図面を描いていくのかが明確になっていた方が、より良い図面を描くことが出来るのではないかと思います。
求められるレベルが分かっていれば、それを目指して足りないものを埋めていく努力をすることが出来ます。
しかし仕事で求められているレベルが明確ではないと、もしかしたら今のままでも大丈夫なのかも知れないという気持ちになる可能性もある。
そうなってしまうとスキルアップは難しいです。
今のスキルでは足りないと言われるのは気持ち的にツラいものがありますけど、それがないとなかなかスキルを高めようという気持ちになりにくい。
なので、当サイトでは「出来るだけ正確な図面を、一緒に仕事をしている方よりも早いスピードで作図する」という目標をおすすめします。
当たり前の話ですけど、どこかを目指さない限り目的地にたどり着くことは出来ないですから。
前回は「正確な図面を描く事がなによりも大事」という話をしましたが、それがそのまま「作図スピードはあまり重要ではない」という話につながる訳ではありません。
むしろその逆で、オートキャド(AutoCAD)の操作が早ければ早いほど、正確な図面を完成させられる可能性が高くなると思います。
正確な図面が重要とは言っても、仕事で図面を描いている以上は「この日には図面が欲しい」というリミットが存在します。
それを守ることがまずは前提条件としてあるので、それを守る事が出来ない時点で評価のテーブルに乗ること自体が出来なくなってしまいます。
正確な図面と評価される為には、まずそこをクリアする必要がある訳です。
いくら「あと1日あれば完璧な図面が出来ます」と言われても、今その図面が必要だと思っている場合は1日後に出てくる正確な図面に用はありませんよね。
結局は作図スピードが必要になる理由はここにあります。
また、作図が早い方は余裕を持って図面を完成させる事が出来るので、その図面が間違っていないかをチェックする時間も充分に確保出来ます。
そうすると結果的に早くて正確な図面が完成することになる。
いくら正確さを心がけながら作図をしたとしても、どうしても間違いというのは発生します。
だからこそ完成した図面を紙に印刷して間違いがないかをチェックする必要があって、余裕をもってその時間を確保する為には結局作図スピードが必要に。
結局は正確さもスピードもどちらも必要という話でした。
オートキャド(AutoCAD)にプロとして求められるスキルとして、これはもう当然のことでもあるので、両方を目指して頑張るしかありません。