同じオートキャド(AutoCAD)で作図した図面でも、新しいバージョンで作図したdwgデータが古いバージョンでは開けない場合があります。
なぜこうした問題が発生するのかというと、毎年新しいバージョンのオートキャド(AutoCAD)が発売されるからですが…
これはもう企業として当然の動きなので、そうならない為に新しいバージョンを出さない! という選択肢は全然ありません。
新しいバージョンでは新しい便利な機能が用意されていたり、あるいは今まで不便だった部分が解消していたりするので、バージョンアップは基本的にポジティブな面の方が多いです。
そのあたりを考えていくと、バージョンによってデータ形式が違う場合があるという話は、まあ些細な問題という事も言えます。
それよりも新しいバージョンで便利な機能を使いこなした方が、仕事としてトータルで考えるとプラスが多いという事になるので。
とは言っても、古いバージョンでは図面が開けない、という状態がOKである訳でもないので、そこはしっかりと対応しておく必要があります。
その為の基本的な考え方は「新しいバージョンを持っている側が歩み寄る」です。
例えばこの解説を書いてる現在の最新バージョンが2017だとします。
でも会社の都合とか、パソコンを何年使わなければいけないとか、OSが対応しているかどうかとか、色々な要因があって、皆が最新バージョンを使える訳ではないんですよね。
解説の画面を細かく見て頂ければ分かると思いますが、私は今現在2015バージョンを使っていて、まあ最新を使っているとは言えません。
最新バージョンを使っていない理由で大きいのは「そんなに毎年変えなくても図面は問題なく作図出来る」というところもありますが…
とにかく仕事で使っている方を色々見ていくと、2011を使っている方もいるし、逆に最新を使っている方もいるし、という事で様々です。
そうした状況は別に特別変な事でもないので、仕事でデータのやりとりをする場合には、やはり関わる方皆が図面データを開ける必要があります。
そうなると、一番古いバージョンの形式に合わせて図面データを保存しておく、というやり方が最も適切な対応という事になります。
2011バージョンのオートキャド(AutoCAD)では2010形式のdwgデータは開けるけれど、2013形式のdwgデータを開く事は出来ません。
でも2013バージョンのオートキャド(AutoCAD)では2010形式のdwgデータも、2013形式のdwgデータも開く事が出来る。
そうすると、図面データの形式を2011形式にしておけば、皆が図面データを開く事が出来るという事になる訳です。
その為には、新しいバージョンを使っている方がデータを保存する際に、古いバージョンの形式で保存する必要があります。
その設定が「オプション」画面の「保存」タブにあります。
上図の左上にある「名前を付けて保存のファイル形式」という項目で、通常どのバージョンで図面データを保存するかを指定する事が出来ます。
上図を見て頂くと、2000・2004・2007・2010・2013というデータ形式があって、大体3バージョン毎にファイル形式が更新されているのが分かります。
同じ仕事をしている方で最も古いバージョンを確認してみると2011だったとしたら、そのプロジェクトで使うデータ形式は2010で統一するとか。
そうした決めごとをつくり、上記のオプション画面で保存するファイル形式のバージョンを2010形式に設定する。
そんなやり方をすると、色々なバージョンを使っている中でも円滑に図面のやりとりが出来るようになります。