オートキャド(AutoCAD)を使ってどんな図面を作図するのか。
それによって多少は違ってくるはずですが、ひとつのプロジェクトで必要な図面を全て一人で作図する、というような事は少ないと思います。
そうなると色々な方と図面を描いていく事になって、そうなると様々なバージョンのオートキャド(AutoCAD)で作図をする事になります。
その状況で全ての方が図面データを開ける状態にする為には、古いバージョンに合わせてデータを保存する設定にするのが一般的です。
新しいバージョンのオートキャド(AutoCAD)には、古いファイル形式で図面を保存する設定がある、というのは前回紹介した通りです。
古い形式で図面を保存しても、そこは同じオートキャド(AutoCAD)で作図しているデータですから、dxfデータのように変な状態になる事はありません。
ただし、いくら古いバージョンを使っている方に合わせる方が良い、とは言ってもそこには限度というものがあります。
今で言えば最新バージョンが2017なので、2013形式とか2010形式でデータを保存する分には大きな問題にはならないでしょう。
でも、例えば2000形式に統一するとか、もっと古くR14形式で保存するとかになると、それはさすがに古すぎるので良くないです。
仕事でオートキャド(AutoCAD)を使っている訳ですから、ある程度バージョンアップのタイミングはずれてくるのは仕方がありません。
でも、2017バージョンが出ている状況で、いまだに2000バージョンを使っている方がいたとしたら、それはさすがにプロとは言えません。
もちろん2000バージョンでも線を引く操作は同じだし、図面を印刷する手順も同じなので、作図する図面に大きな問題はありませんが…
10年以上同じパソコンで、なおかつ同じバージョンのオートキャド(AutoCAD)で作業をしているという事です。
それはつまり、プロとして使うツールに気を遣っていないか、もしくはそこに投資をしていないか、新しい機能に挑戦する気持ちがないか。
理由がどれであっても(あるいはその全てなのかも知れませんが…)、図面を描く事を仕事としているプロとしては、かなり寂しい話である事は間違いありません。
例えば2000バージョンは私もかなり愛用していた事がありますが、ブロックエディタなどの便利な機能はまだ実装されていません。
コマンドの実行方法として、当サイトでも説明に使っている「リボン」というインターフェイスも2000バージョンには当然存在していません。
それが不便な状態なのかというと、2000バージョンを使っている方からすれば「全然問題なく作図出来るからOK」という事になるとは思います。
でもその「問題ない」は、もしかしたら新しい便利な機能、作図の効率が上がるような便利な機能を知らない状態での「問題ない」なのかも知れません。
古いバージョンにこだわっている状態が、全てのバージョンを試してみた結果として、やっぱり古いバージョンが便利だという結論であれば問題はありません。
まあパソコンのOSが対応していないなどの問題はありますけど…
でも恐らく古いバージョンを使っている方は、新しいバージョンの便利な部分に目を向けていない状態で古いバージョンを使っているパターンが多いのではないかと思います。
それでは図面を作図するプロとして進化がないので、やはり毎日使うようなツールにはある程度気を遣った方が良いのではないか。
少し極端なのかも知れませんが、当サイトではそんな考え方をしています。