前回までの話では、オートキャド(AutoCAD)が用意してくれている外部参照という便利な機能について色々と説明をしてきました。
この外部参照機能は非常に使い勝手が良い機能なので、覚えておいて損はないです…と言いたいところですけど、少しニュアンスは違うかも知れません。
実際の仕事でオートキャド(AutoCAD)を使う際には、もう外部参照機能を使う事が前提になっているシーンが結構多いです。
なので「知っていると便利な機能」というよりも、もう少し進んで「知っていないと仕事に支障がある機能」に近いかも…
まあそうした「皆が知っていて当然」という機能であれば、その機能について説明してくれる方も多いはずなので、全然使えなくて手も足も出ないという事にはなりにくいですが。
オートキャド(AutoCAD)のプロであれば、やはりこの外部参照機能はきちんと特徴を押さえておきたい機能ではないかと思います。
さて、そんな外部参照機能についての説明は終わりにして、今回は図面データを変換するという事について少し考えてみることにします。
図面データの変換というのはどんな意味がある事なのかというと、シンプルに「他のCADと図面データをやりとりする為に必要な操作」という感じいになります。
他のCADというのはつまり、オートキャド(AutoCAD)ではないCADの事を指しています。
オートキャド(AutoCAD)で作図した図面データを他のCADで開くか、もしくは逆に他のCADで作図した図面データをこちらで開くか。
仕事をしているとどちらのパターンもあって、それらをまとめてデータ変換と呼びます。
もの凄く当たり前の話ではありますが、世の中に存在するCADというのはオートキャド(AutoCAD)だけではありません。
もう本当にたくさんのCADが開発・販売されていて、企業としてどのCADを使って図面を描いていくのが良いかは少しずつ違ってくるものなんです。
建築の図面を作図するのに適したCAD、設備系の図面を作図するのに適したCAD、住宅系の図面を作図するのに適したCAD、というのはそれぞれ違ってきます。
また、CADというのはパソコンにインストールするソフトであって、中には無料のCADもありますが、基本的には有料である場合がほとんど。
なので、どの程度費用をかけるのかとか、自分たちが関わっている図面を作図するのに適したCADがどれか、などの判断は企業によって違ってくるんです。
その結果として、それぞれの企業によってメインで使っているCADの種類は違ってくる、という状況が出てくる事になる訳です。
でも、せっかくCADで図面を描いたのだから、別のCADで作図しているとは言っても図面データを渡したい、あるいは図面データをもらいたい。
そんな状況はもう非常にたくさん発生する事になります。
そこで登場するのが「図面データの変換」という考え方です。
オートキャド(AutoCAD)で言えば、今現在作図している図面データを他のCADでも読み込みが出来る状態に変換する、というイメージです。
あるいは逆に、相手から図面データを受け取る際に、オートキャド(AutoCAD)でも読み込みが出来る状態に変換してもらう、という操作。
図面データをやりとりするので「書き出し」と「読み込み」があるのは当然で、どちらか一方というのはあり得ませんよね。
そうした両方の操作を含めて「図面データの変換」と一般的には呼ばれています。