前回はオートキャド(AutoCAD)のデータ関連機能のまとめということで、データの修復や外部参照、そしてdxfデータ変換について振り返ってみました。
具体的な操作方法については特に触れていないのですが、結構紹介する項目としては量が多くてまとめるのに時間がかかりますね。
今回も引き続きデータ関連機能のまとめととして、オートキャド(AutoCAD)のバージョンによるデータの違いから紹介していきたいと思います。
□バージョンによるデータ形式の違い
オートキャド(AutoCAD)は基本的に毎年新しいバージョンが発売されます。
これには「ソフトを販売する」というビジネス的な側面もありますが、新しい機能を追加したり不具合を解消したりなどの意味もあります。
今使っているオートキャド(AutoCAD)のバージョンが手に馴染んでいる、という理由で新しいバージョンを使うのに抵抗がある方は結構います。
しかし実際に使ってみると、新しく実装された機能が思いのほか便利だったりする事も多く、使ってみて良かったと感じる事が多いです。
そうした理由から、ある程度の期間で定期的に新しいバージョンのオートキャド(AutoCAD)に切り替えていくと良いのですが…
同じdwgというデータでも、データを保存したバージョンによって少しずつデータ形式が違ってくるという問題があります。
毎年ではなく3年に1回程度の頻度でデータ形式がアップしていきます。
高いバージョンで保存したデータを低いバージョンで開く事が出来ず、その逆は問題ないので、一番低いバージョンを使っている方のデータ形式に合わせる必要があります。
これは高いバージョンを使っている側で「通常どのバージョンにあわせて保存するか」を設定すれば解決するので、特に難しい話ではないと思います。
サブスクリプション契約をして常に最新のオートキャド(AutoCAD)を使う、という選択肢もコストはかかりますが有効です。
□図面データの保護
この「図面データを保護する」という部分こそが、オートキャド(AutoCAD)のデータ関連機能について説明をする際の最も重要な要素になります。
作図した図面はあくまでもデータとして保存されるため、そのデータが消えてしまうと当然図面を見る事も印刷する事も出来なくなります。
そんな当たり前の話であっても、通常はデータが消える事などないので忘れがち。
その「当たり前」をまずは疑って、万が一の事があった場合でも図面データはきちんと保護されている、という状態をつくる。
これがオートキャド(AutoCAD)のプロとして求められる事ではないかと思います。
具体的にどんな対応があるかというと…
・保存してあるデータを定期的にバックアップする
・自動保存機能を活用して万が一の事故に備える
・バックアップファイル「.bak」も並行して使っていく
というような機能が用意されています。
オートキャド(AutoCAD)のデータを守る為には、上記の中でどれかを選択するのではなく、全てのやり方を併用していくのが確実です。
それぞれの項目を実行する為に膨大な時間が必要になる、という話ではありません。
仕事をしている中のちょっとした時間で設定などは出来るので、まずはそれぞれのやり方をしっかりと把握して使いこなしていくのがベストではないかと思います。
こうしたちょっとした設定によって、なくなったと思っていた図面データを開く事が出来たのなら、それはもうこれらの機能を充分に活用している事になります。