AutoCAD(オートキャド)で作図する要素の一つ一つには、表面上は見えていないけれど様々な情報が含まれています。
様々な情報の中には、作図をしていく中でちょっと確認しておきたいような項目があり、あまり作図する側には関係のない項目もあります。
そうした諸々の情報が少しずつ集まって、全てを組み立てる事によって出来上がるのが図面のCADデータという事になる訳です。
まあちょっと大げさな表現ではありますが、膨大なデータをAutoCAD(オートキャド)が管理してくれている、という事実は確かにあると思います。
作図した要素が持っている情報の中には、作図していく際に時々確認しておきたくなる項目があって、それは大体以下のような情報になります。
・画層
・色
・線種
・寸法であれば寸法スタイル
・文字であれば文字スタイル
・文字高さ
・ブロックであればブロック名
・ハッチングであればハッチングパターンや面積
・ポリラインであればグローバル幅
これらの情報は、図面を作図していく際に、きちんとデータを整理しながら作図していこうと思うと必ず必要になってきます。
一方でAutoCAD(オートキャド)側では必要とする情報ではあるものの、作図する側としてはそれほど必要としない情報もあります。
・線分の厳密な長さ
・線分開始点の座標
・円や円弧の中心点座標
・円や円弧の円周長さ
こうした細かい情報は、AutoCAD(オートキャド)がデータを管理していく際に絶対に必要になるものです。
しかし作図をしている側としては、もっと押さえておくべき項目があって、座標などの情報はそこまで必要にはなりません。
まあ図面によっては時々線分の座標などが気になる状況もありますけど、恐らくそれは結構特殊な状況だと思うので…
こうしたAutoCAD(オートキャド)が持っている様々な情報を、作図していく中で確認するという状況は結構あります。
その際に役立つのが、今回紹介する「LIST」と呼ばれるコマンドになります。
この「LIST」コマンドがどこにあるかというと「ホーム」タブのプロパティメニュー下側に隠れています。
ちょっとコマンドを実行する為に一手間かかってしまうので、頻繁に使うようであれば実行方法を見直した方が良いかも知れません。
私の場合はそこまで使用頻度が高くはないので「LI」というコマンドエイリアスに登録してあります。
二文字入力が少し手間ですが、一文字の「L」は「LINE」コマンドで使っているし、LもIもお互いキーボードの場所が近いのでまあ仕方がないかという感じです。
「LIST」よりも「LINE」の方が圧倒的に使用頻度が高いというのも大きな理由です。
LIST
オブジェクトを選択:
「LIST」コマンドを実行すると、上記のようにどのオブジェクトの情報を知りたいのかを画面上から指定する状態になります。
ここで、例えば適当の作図した線分を選択して「Enter」を押すと…
このように線分が持っている様々な情報が表示されました。
上図を見ると画層が「0」という事が確認出来て、それ以外にも座標系のあまり必要としていない情報も色々と表示されています。
必要としている情報だけが表示されている訳ではなく、ちょっと分かりやすい状態とは言い難い感じになっていますが…
少なくとも選択した要素についての情報が一通り表示されるので、ここから自分で必要な情報をピックアップしていく事になります。
ここで情報を確認したい要素をたくさん選択してしまうと、それぞれの要素ごとに膨大な情報が一気に表示される事になってしまいます。
これでは全然何がなんだかわからなくなるので、「LIST」コマンドで情報を確認する際は一つずつオブジェクトを選択する事をお勧めします。