オートキャド(AutoCAD)で図面を作図する際に、寸法線の矢印をどのような形状に設定していくのか。
前回はそんな話を取り上げましたが、設定する項目としては矢印の形状と大きさだけだったので、それ程多くの選択肢がある訳ではありませんでした。
矢印の色くらい設定出来ても良さそうなのに…と思った方もいるかも知れません。
しかし、矢印の色は寸法線の色とセットになっているので、矢印だけを別の色に設定することは出来ないんです。
ただ、そもそも寸法線と矢印を別の色に設定する意味は全然ないです。
上図ではあえて寸法補助線と寸法線の色を変えていますが、これにも全然意味がないので、だからこそオートキャド(AutoCAD)もあえてそんな設定を用意していないのだと思います。
そもそも矢印の設定を黒丸や塗り潰し矢印などにしている場合、線の太さをどのように設定したとしても、結局は塗りつぶされる事になるだけですから。
そうした矢印の設定についての説明が完了したので、今回は寸法値、寸法記入すると自動で作成される文字の設定を紹介したいと思います。
寸法スタイル管理画面の左から三番目の項目「寸法値」をクリックすると、以下のような設定画面が表示されます。
さすがに文字関連の設定だけあって、ここで設定を調整・確認しておいた方が良い項目というのは結構たくさんあります。
なので、まずは左上の項目から順番に紹介していく事にします。
□文字スタイル
寸法値をどのような文字スタイルで表現するのか、というあたりをこの文字スタイルで設定します。
上図では「ゴシック」という文字スタイルが指定されていますが、その右側にある「…」というボタンをクリックすると文字スタイルの設定を確認出来ます。
サンプルの図面ではゴシックに設定していて、なおかつ幅係数が1になっていますが、実際には寸法値用の文字スタイルを用意しておいた方が便利です。
上図でも「Dim」という文字スタイルがあって、実際の作図ではそちらを選択しているのですが、説明用ではゴシックの方が見やすいんですよね…
文字関連の設定で説明をしているのでここで詳しい文字スタイル設定のやり方は説明しませんが、文字スタイルで設定するのは以下のような項目です。
・フォント
・文字高さ
・幅係数
フォントから指定する事になるので結構選択肢が多い状況ですが、上記項目の具体的な設定としては、以下のような感じにしておけば無難に見えると思います。
・フォントはゴシック体等を使わずに「simplex,extfont2」でOK
・文字高さは寸法設定側で決められるので文字スタイルでは0に設定しておく
・幅係数は0.6~0.8程度が良い
オートキャド(AutoCAD)の文字だと、幅係数を1にすると横長になりすぎてしまい、図面内に配置するのが大変になってしまいます。
読みやすいように文字の幅を変えないでおいて、スペースが足りなくなって結局文字同士が重なってしまい読めない状態に…
という事になるのは本末転倒なので、読める程度に数字をスリムにして、出来るだけ重ならないようにレイアウトしていく事が重要になります。
数字であれば幅係数0.6程度でもギリギリですが読む事は出来るので、どうしても文字が入りきらない場合は0.6に。
ある程度図面に余裕がある場合には0.7程度の縦横比が安全ではないかと思います。
□文字の色
ここでは文字の色を設定します。
寸法値の色は画層に合わせておくのが無難なので、ここでは「ByLayer」に設定しておく事をお勧めします。
例えば異なる寸法スタイルを使い分ける時に、文字の色を変えたい場合には、ここでそれぞれの色を直接指定することも出来ます。
まだ先は長いので、寸法値の設定については次回も引き続き説明をしていく事にします。