今回も引き続きオートキャド(AutoCAD)の表示系機能について簡単にまとめた内容を紹介していきます。
□UCSとWCS
オートキャド(AutoCAD)で作図をする為に用意されているモデル空間では、X方向・Y方向・Z方向それぞれの座標が設定されています。
CAD側があらかじめ用意している座標系を「WCS」と呼び、これはもう作図する側でどうこうする事も出来ない初期設定の座標系になります。
その一方で、作図する側が自由に設定出来る座標系も用意されていて、その座標系を「UCS」と呼びます。
初期状態では「WCS」=「UCS」になっているので、設定を変更しない限りは特に問題なく作図を進める事が出来ます。
しかし、例えば45°振った角度を標準の水平垂直に設定したい場合など、自分が作図したい基準ラインを変える際にはUCSを変えた方が便利です。
このよく分からないUCSを変更するのではなく、そのままの状態で作図した後で作図した要素を45°回転させるやり方でも作図は出来ます。
しかし両方のやり方を知っている私としては、UCSを45°回転させた後に作図をした方が楽だという事を知っているので、やはりUCSを変更する事をお勧めします。
ちょっと取っつきにくい機能ではありますが、使いこなす事が出来ればきっと作図の際に役立ってくれるはずなので、ぜひ挑戦してみて頂きたい機能です。
UCSの設定については今回そこまで詳しい説明が出来ていないので、いずれもう少し詳しく説明する事が出来ればと思っています。
□オブジェクト情報・プロパティ
オートキャド(AutoCAD)で作図した要素の情報を改めて知りたい、という状況は結構多いはずですが、そんな時に役立つのが以下の機能です。
・オブジェクト情報「LIST」コマンド
・プロパティ画面による確認(Ctrl+1)
いずれの方法でも、作図した線分などの細かい情報を知ることが出来るので、状況に応じて使い分けていくと便利です。
LISTコマンドはシンプルな機能で使いやすいですが、複数のオブジェクト情報を確認する際に少し煩雑になる傾向にあります。
プロパティ画面でもやはり複数の線分の長さを一度に計測する事は出来ませんが、複数のオブジェクトを選択して設定を変更する際にはこちらの方が便利です。
□距離の計測
オブジェクト情報を確認する機会が結構ある、という話を先ほどは紹介しましたが、二点間の距離を計測したい状況も結構あります。
そんな場合は以下のやり方で距離を計測すると便利です。
・「DIST」コマンド
・「MEASUREGEOM」コマンド
・寸法を実際に記入してしまう
どのやり方を選択しても距離を計測する事は出来るので、一度実際に試してみてしっくりくるやり方を選択するのが良いです。
私の場合は「DIST」コマンドを現在は使っていますが、恐らくもう少ししたらやり方を見直す事になると思います。
寸法を記入してしまうやり方は非常にシンプルで便利ではありますが、距離を確認した後でその寸法を消すという一手間をどう考えるかです。
消し忘れのリスクや消す手間などを考えると、個人的にはあまりお勧め出来ないやり方ですが…実際の業務では結構使う事があります。
やっぱり手軽な操作というのはそれだけで有利なものです。
オートキャド(AutoCAD)の表示系機能についてのまとめはこれで終わりです。
表示系の機能について詳しく知っていく事で、少しずつ作図がスムーズになっていくはずなので、ぜひ色々と試してみる事をお勧めします。