前回はオートキャド(AutoCAD)が用意している寸法線の形状をいくつか紹介して、どのような考え方でそれを選ぶのか、という話を取り上げました。
色々な事を考えながら寸法の形状を決めていくというのは、やり方を改善していく為の重要な考え方ではないかと思います。
とは言え、毎回そうして「そもそも…」と考えていくのは疲れるし、なにより時間がかかりすぎるという欠点があるので、こうして考えるのは時々で良いと思います。
今までやってきたやり方には、やはりそれなりの根拠がある訳で、それを選ぶというのは仕事の効率を考えると正しい事ですから。
今回はそんな寸法の形状を一枚の図面で統一する事と、他の図面とも統一した方が良いのか、というあたりについて考えてみる事にします。
前回は、寸法の形状として選ばれるのは黒丸や開矢印が多いという話をしましたが、これは私が仕事をしている中でそうかなと感じている事です。
私自身も黒丸で作図する事が多いので、余計にそう思うのかも知れません。
ただ、結局寸法線で重要なのは表している数字ですから、黒丸でなければならない、みたいな堅いお約束があったりする訳ではありません。
それでも、複数の人で同じ種類の図面を作図していく、というようなシーンがある場合には、見た目の統一感を出す為に形状を揃えた方が良いです。
図面の種類にもよりますが、を構成する要素として、寸法線というのは結構ボリュームが多い要素になる事が多くなってくるはず。
その寸法線表記がバラバラになってしまうと、図面としての統一感を図ることは非常に難しくなってしまいますから。
もちろん、先ほども書いたように寸法で重要なのは数字ですから、黒丸と矢印が1枚の図面で混在していたとしても、図面としての役割を果たす事は出来ます。
それを違う図面まで統一しなければならない、というのは少し息苦しい話なのかも知れませんが…
寸法線を揃える事で、パッと見の雰囲気をある程度統一しておく事が出来て、どの図面を見ても同じように見やすい状態になる。
これはオートキャド(AutoCAD)を使って図面を描いていく中で、意外に重要な事だったりするものなんです。
ちょっと大げさな表現をしてしまいましたが…
オートキャド(AutoCAD)で寸法を記入する際には、必ずどんな形状の寸法にするのかを設定する必要があります。
だからその設定を毎回同じものにすれば良いだけの話で、特に難しい事が必要な訳ではなく、割と簡単に寸法の形状を合わせる事が出来ます。
なので、まずは1枚の図面で寸法線の形状を統一する事がひとつと、もうひとつが同じプロジェクト内でも統一する事が重要になってきます。
このあたりを考えていくと、社内で寸法線の形状を統一しておいた方が、どんな図面であっても寸法が同じに見えるので良いという結論に。
これは考えてみれば当たり前の話なのかも知れません。
恐らく大抵の会社は自社でオートキャド(AutoCAD)の設定標準などを作成している場合が多いのではないかと思います。
そうしてはじめから統一しておけば、そもそも同じプロジェクトなのに見た目が何となく違う、というような事態は避ける事が出来ますから。
という事で結局のところ、ゼロから自分で寸法線の形状を考えなければならない、という機会はそうそうないという結論になりました。
どんな会社に属して図面を作図するかは人によって色々だと思いますが、その会社で標準設定を用意している場合がほとんどになるはずなので…
ただ、そうした合わせるべき設定があるという事を知っておかないと、図面の見た目を揃える事が出来ない、という事は知っておいた方が良いでしょう。