前回はAutoCAD(オートキャド)を覚える為に書籍を購入するか、というあたりについて考えてみました。
そうした話の中で、何のためにAutoCAD(オートキャド)を覚えるのかを明確にしておき、その為に期限を切って早めに覚えるのが良い、という話もありました。
期限という概念がない状態で勉強をするのは楽だし、自分の知識が少しずつ増えていく感覚を味わうことも出来るので、場合によっては楽しさすら感じるかも知れません。
しかしそこに「いつまでに覚える」という期限が出来た瞬間に、それまでの楽しい雰囲気というのは消え去ってしまうものです。
期限があることで「このままのペースでは間に合わない」とか「今日はここまで覚えないとペースとしては良くない」などの現実に戻ってしまうんです。
でも、こうしたあまり楽しくない現実に戻ることこそが重要で、その為に期限を切って勉強することをお勧めしている訳です。
受験勉強について考えてみると、国立大学を狙っている方であれば年明けのセンター試験を、私立大学を狙っている方であれば2月の試験に間に合うように勉強を進めます。
この制限時間がある状態が最も苦しいのですが、だからこそ圧倒的な集中力を発揮して勉強に没頭する事が出来るのではないかと思います。
これがもし「納得いくまで勉強出来たと感じた人から試験します」というスタイルだったら、恐らく4月になってもまだ試験を受けない人が多いはず。
もしそうしたシステムだとしたら、恐らく12月あたりで勉強する密度は絶対にあそこまで濃くはならないとも思います。
受験勉強というシステム自体が完全なものではないとは思いますが…
期限を区切ってそこまでに集中して何かに取り組む習慣をつける、という意味では非常に意味のある経験ではあるでしょう。
こうした状況をAutoCAD(オートキャド)の勉強に当てはめた時に、いつまでに覚えるという期限を区切らない事の危険性が分かると思います。
確かに期限を決めずに色々興味のある機能についてじっくり調べていくのは楽しいものですが、そうした楽しさは趣味で感じるべき感情なんです。
AutoCAD(オートキャド)と趣味というキーワードから、私の同僚に困ったタイプの方がいたことを思い出しました。
今でも覚えているということは、まあ結構困ったのだと思います。
かなり昔、私がAutoCAD(オートキャド)のオペレータをしている時期の話ですが…
皆が非常に忙しく仕事をしている中で、その方もパソコンに向かって忙しそうにしているので、私はてっきり仕事をしているのかと思っていました。
しかし実際にはAutoCAD(オートキャド)の誰も知らないような機能を調べていて「こんな機能があるの知ってた?」みたいな質問をされたりしてました。
仕事はどうした。
と言いたいところでしたが、残念ながら若干目上の存在でもあったので、私がそうした事を言う立場ではありません。
だからこそ、仕事をしてない状態を見せても全然大丈夫、という態度だったのでしょう。
AutoCAD(オートキャド)はマクロでカスタマイズする事も出来るのですが、仕事中にそうしたマクロ作成に没頭したりとか…
とにかく知識とスキルは高まっている事は確かではあるんですけど、仕事自体は全然進んでいない状況になっていて、それを徹夜で一気に取り戻すみたいな仕事をしていました。
しかし徹夜で急いで仕上げた仕事ですから、控えめに言ってもそれほど精度の良い仕事とは言えず、トラブルの連続だったことを思い出しました。
自分よりも経験があるからと言って、そういう人がみな自分よりも仕事が出来る訳ではない、と言うことをその方からは勉強させて頂きました。
…と、少し話が逸れてしまいましたが、AutoCAD(オートキャド)を勉強する際には、期限を切らないと効果が少ないという話でした。