さて、このカテゴリではAutoCAD(オートキャド)の操作方法を自分好みに設定する「カスタマイズ」について色々と考えてきました。
私が知っているカスタマイズについての話は一通り説明することが出来たので、そろそろこのカテゴリでの説明は終わりになりそうです。
カスタマイズはあくまでもAutoCAD(オートキャド)での作図を効率化する手段であって、カスタマイズすること自体が目的ではない、という話を今までずっとしてきました。
「作図を効率化する」とか「無駄をなくして少しでも早く図面を描く」みたいな話ばかりで、ちょっと違和感を感じた方もいらっしゃるかも知れません。
何でもかんでも「効率化」を考えると余裕がなくなって気持ちがギスギスしそう。
仕事は人間がやるものなので効率化を追い求めすぎるのは良くない。
図面を描く仕事はチームでやるもので、周囲とスピードを競争するものではない。
というような意見があるかも知れません。
仕事についての考え方は当然人それぞれで、その方が今まで仕事をしてきた中で造り上げられたものなのだと思います。
私もそうやって自分なりに仕事に対するスタンスを造ってきましたから、考え方がそれぞれ違っているのは当たり前だと思っています。
だから私の考え方を押しつけすぎて「AutoCAD(オートキャド)のカスタマイズはこうあるべきです!」とやるのは、あまり意味がないんですよね。
とは言っても、やっぱり仕事ですから「時間」とか「効率」とか「スピード」を不要なものと考えることは出来ないのではないかと思います。
ひたすら効率化を考えることで気持ちに余裕がなくなってギスギスしそう、という意見があるかも知れませんけど…
仕事を効率良く終わらせることが出来れば、時間に追われて仕事をする必要がなくなって、気持ち的には逆に余裕が出来るのではないかと私は思っています。
時間とか効率を気にせず自分らしく仕事をする、と言うとなんとなく聞こえは良いです。
でも、恐らく仕事をしている以上は会社から給料を受け取っていて、その給料の基準となるのはきっと「働いた時間」がベースになっているはず。
それで「時間は気にしない」というのはちょっと虫が良すぎる考え方ではないかと思います。
それはつまり「私の給料はいくらでも良いです」と言っているようなもの。
もちろん大抵の方はそんな考えではないと思いますが…
AutoCAD(オートキャド)を使った仕事をしていると、まあまあの頻度で時間を意識していない方に会うので一応注意喚起的に書いてみました。
AutoCAD(オートキャド)を使って作図していく業務を効率化することは、毎日少しずつあるはずの必要ない操作をなくしていくということ。
それは言い方を変えると「作図のやり方を工夫する」ということで、それによって仕事に余裕が出来るなら、その方が良いのではないかと思います。
人よりも手が早くて作図にかかる時間が短くて済む、というスキルを持っていれば、作図を早く終わらせて次の仕事に取りかかることが出来ます。
もしくは、普通の人が作図を完了する時間までのんびりすることも出来るかも知れません。
もちろん会社で作図をしている場合は露骨にのんびりすることが難しいですけど、とっくに終わっている図面を描いているふりをして別のことをやるのは可能でしょう。
どちらを選択するのが良いかはさておき、高いスキルを持っていればそうした選択肢もある、ということなんですよね。
AutoCAD(オートキャド)の操作が遅い場合は、もう図面を完成させるだけで手一杯になるはずで、そんな余裕はどこにもありません。
よほど強靱なメンタルを持っていない限り、明らかに社内で一番仕事が遅いのに「自分らしく仕事をする」ことなんて出来ませんから。