前回からは、オートキャド(AutoCAD)で作成したペーパー空間を複数選択して、パブリッシュ機能を使うことによって一括で印刷する手順を紹介しています。
・複数のペーパー空間「1」から「3」までを作成
・それぞれのペーパー空間で共通のページ設定として「A3モノクロ」を作成
・「1」から「3」のペーパー空間を一括選択してパブリッシュの実行
というところまで前回は説明してきたので、今回はその続きから。
ペーパー空間「1」から「3」を選択した後「選択したレイアウトをパブリッシュ」をクリックすると、下図のような画面が表示されます。
結構たくさん設定出来そうな項目がありますけど、実際に操作する部分はそこまで多くはないので全然難しい事はありません。
上図を見て頂くと、先ほど選択したペーパー空間である「1」から「3」までが「シート名」という項目に表示されているのが分かります。
まずはシート名に表示されている「解説-1」から「解説-3」までを全て選択します。
全て選択する方法は幾つかあります。
「解説-1」を選択した状態で「Shift」を押しながら「解説-3」を選択すると、「解説-1」から「解説-3」までをまとめて選択する事が出来ます。
また、シート名という項目内の何も記載されていないところをクリックして、ボタンを戻さないままカーソルを移動させて全てのシート名を選択しても良いです。
やり方としてはこの方がシンプルで分かりやすいかも知れませんね。
そうするとシート名などの項目が反転して選択された状態になるので、その状態で右側の項目である「ページ設定」に注目します。
現状では「ページ設定」は <規定:なし> という表示になっています。
これは選択したシートを印刷する為のページ設定が特に指定されていない状態を意味しています。
これでは思ったような印刷結果が得られないので、そこで前回設定したページ設定「A3モノクロ」が生きてきます。
まあその為に作成したページ設定なので、ここで生きてくるのは当たり前なんですけど…
シート名として「解説-1」から「解説-3」を選択している状態で「ページ設定」項目をクリックすると、下図のようにページ設定を切り替える事が出来ます。
選択するページ設定として、前回作成した「A3モノクロ」を選択すると、全てのシート名のページ設定が切り替わりました。
ここまでの操作で、それぞれのシート名つまり選択したペーパー空間を「A3モノクロ」という設定で印刷する事が出来る状態になりました。
設定としてはこれで完了なので、画面下部にある「パブリッシュ」ボタンをクリックします。
そうすると、あとはオートキャド(AutoCAD)が自動的に選択したペーパー空間をパブリッシュ処理してくれます。
パブリッシュには少し処理のための時間がかかりますが、これはもう仕方がない事だと思います。
パブリッシュメニューの中には「バックグラウンドでパブリッシュ」という項目があって、そこにチェックを入れると待ち時間もなくすぐ操作に戻る事が出来ます。
ただ、これは処理が早く終わった訳ではなく、設定名にもありますが単純にバックグラウンドでパブリッシュの処理をしているだけです。
バックグラウンドで処理をしてくれるのは確かに有り難いので、一度試してみると良いかも知れません。
ただ、バックグラウンドで処理をすると思ったよりも時間がかかってしまい、その間は別の印刷処理などが出来ないというデメリットもあります。
出来るのは作図や編集などなので、バックグラウンドで処理している間は別の印刷処理をしないようにすれば良いだけではありますが…
意外にこれが不便なので、私はバックグラウンド処理をしない設定にしています。
個人の好みなどもあるので、どちらが良いかを一度試してみる事をお勧めします。