作図した図面を印刷してチェックするという手間は、いくら作図の効率化を意識したとしても、絶対に省く事は出来ません。
そこを省いてしまうと、間違いのない図面を作図するという、図面を作図するプロとして求められる水準をクリアする事が難しくなってしまうんです。
オートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図するという仕事をする以上、成果品である図面は商品ということになります。
その商品のクオリティを下げないようにするには、どうしても図面をチェックするという手順を通過する必要がある訳です。
作図完了までの時間を重視するあまり、完成した図面をチェックする手間を省略するという選択肢があるかどうかを考えると…
作図した図面にはどうしても間違いがあるので、それをなくすためにはチェックが必要で、仕事の効率化を図っていく上でそこを削るのは合理的ではないんですよね。
それなのにチェックの手間を省略しようと考えているのなら、それはプロとしてかなり危険な事をしていると自覚した方が良いです。
これは例えばラーメンを販売する店舗を経営する際に、お客さんに早くラーメンを届けたいが為に味を犠牲にするようなもの。
そのラーメン屋さんに行くと、やたら早くラーメンが出てくるけどあまり美味しくない。
そんな店舗だとお客さんが何度も通いたい気持ちにはならないので、恐らく店舗としては長続きしないのではないでしょうか。
図面の作図を頼むと思ったよりも早く完成図が送られてくるけれど、間違いが多くて図面のクオリティは決して高いとは言えない。
そんな仕事を続けていたら、いずれその人に作図を依頼したいと思う相手がいなくなってしまう、というのは何となくイメージ出来るのではないかと思います。
継続して仕事を続けたいと考えているのであれば、それがどのような仕事であっても、信用というものが非常に重要な要素になる事は間違いありません。
チェックをしていない図面を相手に送ってしまうという行為は、その信用を大きく傷つける可能性が高い行為なんですよね。
ちょっとしつこいくらい同じような事を書いているのは、図面をしっかりチェックしないままにしている方が意外に多いからです。
これは私の周囲だけであれば問題はないのですが…
もし私の周囲だけが特別な訳ではなく、自分が作図した図面をチェックしていない方が多いようであれば、それは結構危険な事だと思うのでしつこく書いてみました。
作図完了した図面に間違いがないかしっかりチェックをする。
これはオートキャド(AutoCAD)のスキルが現状低い場合であっても、やろうと思えば確実に実行できることです。
その今やれる事をやらないのだとしたら…
オートキャド(AutoCAD)の操作を覚えて作図の効率が良くなったとしても、その方はきっと図面のチェックをしないでしょう。
今確実に出来る事をしないのだから、出来る事が色々と増えて来た時に、突然それが出来るようになるはずがありません。
と言うことで、今現在オートキャド(AutoCAD)がどれだけ使えるかは関係なく、作図完了した図面をチェックする為に特別なスキルなど必要ないんです。
今実行出来ることは確実に実行していく、という事を常に意識して、完成した図面に間違いがないかを確認する癖を付けておくのが良いと思います。
私は人に依頼した図面をチェックする立場で仕事をする事も結構多いです。
その時によく感じるのが「これは何もチェックしないで図面を送って来ているな…」という事で、見る側にはそういうのってすぐに伝わってしまうものなんですよね。
それはプロとしてかなりリスキーな事なので、やめておいた方が良いと思います。