ブロック作成機能によってブロックが保存されるのはあくまでもその図面データ内だけであり、別の図面データではそのブロックを使う事は出来ません。
という話以上に、もしかしたら同じブロック名でなおかつ異なる形状のブロックが存在する可能性もある、という話を前回は取り上げました。
こうした「ブロック名かぶり」は特にアルファベットだけのシンプルなブロック名を使った場合に起こりがちです。
例えばブロック名を「a」などの全然意味がなく、単なる呼び出しやすさを重視した名前にした際に、別の図面のブロック「a」が本当に全然違うという事になりやすい。
そのあたりを想定しながらブロック名を付けているのであれば問題ありませんが、そうしたオートキャド(AutoCAD)の動きを知らずにブロック機能を使うのは危険です。
やはり自分が使う機能はある程度把握しておかないと厳しい、という話だと思います。
それを把握しておかないと、別の図面を貼り付けた瞬間に同じ名前のブロックが全部別の形状に変わってしまう事になります。
そして最も困るのは、そうして自動的にブロックの形状が変わったとしても、作図する側がその事に気がつかない場合。
そうなると作図者の意図しない図面が出来上がる事になってしまいます。
もちろん図面を印刷してチェックしていく段階で気がつく事になる訳ですが、それを元に戻すのはかなり大変な作業になってしまいます。
私は実際の仕事で今紹介したような失敗をした事があって、もうブロックが全然関係ない形状になってしまい非常に困りました。
そうならない為にも、ちょっとブロックを使う際には、ブロック名に気を遣って操作をしていく事をお勧めします。
こうしたブロックの動きがある事を踏まえて…
今回は作成したブロックを別の図面にコピーする為の簡単な方法について考えてみる事にします。
今現在作図している図面データで作成したブロックを別の図面にコピーする。
そういった操作が出来るのなら、一度作成したブロックが息の長い活躍を見せる事も可能になってくるのではないかと思います。
シンプルな形状であれば毎回ブロック作成をしても問題はありませんけど、それでもやっぱり二回同じ事をする訳ですから効率的とは言えません。
そうした無駄をなくす為に必要なのは、もう非常に簡単で有名な機能である「クリップボードにコピー」という機能です。
これはオートキャド(AutoCAD)の限らずどんなソフトでも同じ操作が可能で、ショートカットキー「Ctrl」+「C」は恐らく一度は使った事があるかと思います。
上記のショートカットキーが一番手軽で効率が良いのでお勧めですが、もちろんリボン内にもクリップボードへのコピー機能は用意されています。
クリップボードへコピーコマンドを開始すると、以下のような表示が出て、コピーしたい要素を画面上から選択する状態になります。
オブジェクトを選択:
ここでクリップボードにコピーしたい要素を選択して「Enter」を押すと、特に何のメッセージも出ないままコマンドは完了します。
しかし実際にはこれでクリップボード内に選択した図形がコピーされているので、次にその図形を貼り付けたい図面データを開き…
上記から「貼り付け」をクリックするか、もしくはショートカットキーの「Ctrl」+「V」を押すと、先ほど選択した要素が別図面に貼り付けられます。
選択した要素の中にブロックが含まれている場合、貼り付けた段階で貼り付け先のデータにもブロックが作成されます。
非常にシンプルな操作ですが、これで別図面データにブロックをコピーする事が出来ました。