ブロック書き出し(WBLOCK)コマンドを使うことによって、ブロックを別の図面データとして書き出す事が出来ます。
そのブロックデータをいつでも呼び出す事が出来るように、あらかじめ決められたフォルダにデータを入れておく。
もしくは、自分で決めたフォルダに書き出したブロックデータを保存しておき、そのフォルダをオートキャド(AutoCAD)側に検索するように指定する。
そんなやり方を前回までの説明では取り上げてみました。
ちょっと難しい感じの説明になっているのは、恐らく私の説明があまり上手くないからだと思います。
実際にオートキャド(AutoCAD)を使ってやってみると、意外にという感じでかなりスムーズに設定なども完了するはず。
なので、説明を見ながら一度操作をやってみる事をお勧めします。
少し話を戻して…
ブロック書き出しをする際の画面では、どんな要素をブロック書き出しするかを設定出来る項目があったかと思います。
そこで選択肢として紹介したのは以下の項目。
・ブロック → 既に作成されたブロックを書き出す
・図面全体 → そのままですが図面全体を書き出す
・オブジェクト → ブロック書き出しするオブジェクトを画面から選択
これらの選択肢から、以前説明した時には「自分で画面上から要素を選択するのが自然」という事で、オブジェクト項目をお勧めしました。
選択肢の中には「図面全体」という項目があって、この項目を選択する場合も結構ある、という説明をしたと思います。
今回はブロック書き出し(WBLOCK)コマンドで「図面全体」を選択する状況や、その意味などについて考えてみる事にしましょう。
ブロックとして書き出したいデータがあるにも関わらず、オブジェクトを自分で選択するのではなく、図面全体を選択する。
そんな事をしたら、当たり前ではありますが、今現在の図面全部がブロックとして他の図面データとして保存される事になります。
それは単純に「名前を付けて保存」と何も変わらないのではないか…そんな事を思ってしまう方も多いのではないかと思います。
しかし実際にやってみると…
やっぱり操作の流れとしては、今作図している図面とは別に、今現在の図面全部が別ファイルとして保存されるだけ。
特に何の違いもない気がします。
ちょっと勿体ぶった表現になってます。
ブロック書き出しをした場合に「名前を付けて保存」とひとつだけ違う点が、必要なデータだけを書き出してくれる、という点。
これの何が良いの? という気がしますが、表現を少し変えると「不要なデータを消して別の図面データにしてくれる」とも言えます。
図面全体をブロック書き出しすると、何も使っていない画層とか見えないけど存在しているエラーデータなどを綺麗にした状態で別名保存してくれる、という事。
これが図面全体をブロック書き出しする場合のメリットです。
もちろん名前削除(PURGE)コマンドを使っても、同じように使っていない画層などを消す事が出来ます。
どちらが良いかを断言するのは難しいところではありますが、体感としては名前削除(PURGE)コマンドでも消えなかったデータが消える印象があります。
なので「どうしても変なデータが消えてくれない」みたいな状況になった際には、今回紹介した図面全体をブロック書き出しを試してみる事をお勧めします。
レイアウトタブなどもきちんと書き出してくれて、この操作をする事で発生するデメリットは特にないと思いますので。
と言うことで、少し長くなってしまいましたがブロック書き出し(WBLOCK)コマンドについての説明は以上になります。