前回はオートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図する際に、欠かす事が出来ない複写機能の概要について説明をしてきました。
非常に使用頻度が高い機能になりますから、出来るだけスムーズに機能を開始できるように調整しておく事がポイントになってきます。
…と言いつつもリボンメニューで説明をしてしまいますが、複写機能の手順を覚えるだけであれば上記のボタンをクリックでもOKです。
操作を一通り覚えて慣れてきたら色々変える事を検討すれば良いので、今回はリボンメニューからコマンドを開始しましょう。
複写コマンドを開始すると上記のような表示が出ます。
移動の場合とほぼ同じ手順になっていて、まずは複写したい要素を画面上から選択する状態になるので、画面上から複写したい壁を選択しましょう。
壁を選択したら複写する要素の選択は終わりなので「Enter」を押すか、あるいはマウスの右クリックで次のステップに進みます。
複写したい要素を選択した段階では上記のような表示になり、複写をする際の基点を画面上から指定する状態になります。
正確な数値や何らかの点にあわせて複写したいなどがある場合は、ある程度厳密に基点を指定した方が楽になる場合があります。
今回は壁芯の端点を複写の基点に指定してみました。
そうすると次は上記のような表示になり、複写先の点である2点目をオートキャド(AutoCAD)の画面上から指定する状態になります。
これは移動の時と同じで、カーソルに合わせて複写する要素が動いてくるので「ここ」という点を画面上から指定すればOKです。
正確な数値で複写をしたい場合は直交モードをONにして数値入力をするか、オブジェクトスナップ機能を使って正確な点を指定しましょう。
今回はオブジェクトスナップの「2点間中点」を利用して、壁芯の端点間の中点を指定してみる事にして、これで壁と壁の中間地点を正確に選択する事が出来ました。
複写機能はまだこれで終わりではなく、上記のように再度複写する点を指定することが出来ますが、今回はこれ以上複写はしないので「Enter」または右クリックで完了です。
これで壁を複写する事が出来ましたが、上図のような状況になっているので、図面としては少し中途半端な感じになっています。
複写機能は今まで何もないところに様々な要素を複写してくるので、複写した後の調整が必要になってくる場合が多いです。
今回の場合は壁と重なっている室名を移動する事と、増えた壁に合わせて室名とドアを複写して体裁を整える事が作業としてはあります。
これをやらないと、いかにも「CADの機能を使って複写しただけです」みたいな図面になってしまい、CADの良いところが全然出ません。
それではせっかくオートキャド(AutoCAD)を使っている意味がないので、複写機能の後はその周囲をきちんと整える癖をつけておきましょう。
とっても操作としてはそれ程複雑ではないので、前回紹介した移動機能と今回紹介した複写機能を使えば、図面は下図のように整います。
ただ、上記の図面では室名が両方「事務室」になっていたり、複写した扉の表現がおかしかったりしていて、あまり完璧な図面とは言い難いものがありますが…
これらを整える為には、まだ説明していないオートキャド(AutoCAD)の機能を使う必要があるので、今回はここまでで良しとしましょう。
上図をもう少し整える為には、今度紹介する機能を使っていきたいと思います。