前回はAutoCAD(オートキャド)のコマンド実行する方法として、キーボード入力を使ったやり方について考えてみました。
コマンド名をそのまま入力するやり方はカスタマイズが難しいですが、コマンドエイリアスであれば色々設定出来るかも…という話でした。
前回も取り上げましたが、線分コマンド「LINE」は「L」に、移動コマンド「MOVE」は「M」に割り当てられているので、単純に入力の手間が少なくなるというメリットがあります。
普通にコマンド入力をした場合は4文字で、コマンドエイリアスの場合は1文字なので、比較すると単純な計算では4倍の差があります。
コマンド名が長い場合はもっと差が付くことに。
もちろん入力時間が4分の1になるという単純な計算ではないかも知れませんが、作図の効率化を意識した時にやはりこのコマンドエイリアスは魅力的な機能なんです。
そんなコマンドエイリアスを自分好みにカスタマイズする方法について今回は紹介していきます。
まずは通常の「コマンド名」があって、そのコマンドがコマンドエイリアスとして登録されている文字を「短縮キー」と呼ぶことにします。
コマンドエイリアスのカスタマイズでどのような設定をしていくかというと…
コマンド名と短縮キーの組み合わせをベストの割り当てになるように調整して、自分が使いやすいキーの組み合わせを作っていく。
コマンドエイリアスのカスタマイズではこのような調整をしていきます。
これが実現すれば、AutoCAD(オートキャド)の操作効率は間違いなく上がるはずなので、最初に多少時間がかかっても調整する価値はあると思います。
具体的な設定の手順を説明すると…
まずは「管理」タブ内にある「カスタマイズ」パネルにある「エイリアスを編集」ボタンをクリックします。
そうすると上図のようにさらにメニューが表示されますので、そこで改めて「エイリアスを編集」項目を選択しましょう。
コマンドエイリアス設定が格納されているファイルとして、「acad.pgp」もしくは「aclt.pgp」というファイルが自動的に開きます。
中身を確認してみても日本語が書いていないので厳しいんですけど、先頭に「;(セミコロン)」が記入されていり行は単なるコメントなので気にしないでOKです。
そのまま「acad.pgp」ファイルを下側にスクロールしていくと、以下のような表示が出てきます。
A, *ARRAY
AA, *ARC
B, *BREAK
C, *COPY
D, *TEXTEDIT
DA, *ELLIPSE
E, *ERASE
EX, *EXPLODE
EXIT, *QUIT
F, *FILLET
G, *GROUP
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コマンドエイリアスの設定を変更する為には、この中の文字を調整して上書き保存をしてあげる必要があります。
例えば上図では「A」+「Enter」が配列複写コマンド「ARRAY」に割り当てられていて、「AA」+
「Enter」が円弧コマンド「ARC」になっています。
短縮キー, *コマンド名
コマンドエイリアスとして割り当てられた短縮キーと、実行されるコマンド名の関係はこのようになっています。
このパターンを入力してpgpファイルを保存することによって、コマンドエイリアスの割り当ては更新されます。
設定の変更方法はこれだけで、あとはコマンド名を変えたり短縮キーを変えたりして、自分なりにコマンドエイリアスをカスタマイズしていけばOKです。
pgpファイルを更新した後はAutoCAD(オートキャド)を再起動するか、「REINIT」コマンドを実行する必要があります。
わざわざREINITコマンドを実行するのも面倒なので、再起動と覚えておけば良いと思います。