前回までの説明では、はオートキャド(AutoCAD)の文字スタイル設定でどのような設定が出来るのか、という話を取り上げて来ました。
その中でフォントを選択する際に「MSゴシック」というフォントを選択しましたが、フォントの選択肢はもっとたくさんありました。
「ゴシック体か明朝体か」という選択肢の前段階として、そもそも文字の場所によって太さに違いがあるようなフォントが必要なのか、という事を考える必要があります。
ゴシック体や明朝体は「TTF(トゥルータイプフォント)」と呼ばれています。
トゥルータイプフォントの形式は色々ありますが、先ほども書いたように、文字にメリハリがあるというか、場所毎に太さが異なる表情豊かな文字が特徴です。
ゴシック体とか明朝体など、様々なフォントを場面毎に使い分ける事によって、美しい書類を作成する事が出来る訳です。
ちょっとサンプルを用意してみましたが、こんな感じのフォントです。
ワープロソフトで書類を作成した事がある方であれば、文字を明朝体にするかゴシック体にするかによって書類の雰囲気が大きく変わるのは知っていると思います。
こうした雰囲気の違いをオートキャド(AutoCAD)で作図する図面でも表現していくのか、という事を今回は少し考えてみましょう。
上図のサンプルで表現しているのはゴシック体と明朝体です。
ゴシック体は太さのある重厚な字体、明朝体は跳ねや払いなどの表現が美しい字体、という大きな特徴があります。
ただ、オートキャド(AutoCAD)で図面を描く際に、こうしたゴシック体や明朝体の特徴が必要なのかが問題です。
確かに美しい文字ではありますが、紙に印刷した状態で2.5mm~3mm程度で印刷される文字に、そこまで美しさが求められるのか。
もちろんこれは図面の種類によって判断が異なってくるものだとは思います。
しかし当サイトでは、図面を作図する上で何よりも重視しなければならないのは、まず正確な図面である事で、次にその情報が見やすい事だと考えています。
そうした考え方からすると、図面に配置する文字のフォントは必ずしも明朝体やゴシック体である必要はないという事に。
そこで登場するのがオートキャド(AutoCAD)が独自に用意している「SHXフォント」と呼ばれるフォントです。
オートキャド(AutoCAD)が用意しているフォントなので、SHXフォントとかいう分かりにくい名前ではなく「CADフォント」と呼んだりもします。
SHXフォントにも色々な種類がありますが、その特徴はCADで表現出来る線や円弧などで文字が構成されているという点。
文字字体に厚みがあって、文字の部位によってその厚みが違っている明朝体などと比べると、線と円弧で構成されているSHXフォントは結構見た目が違います。
並べてみるとこんな感じで違ってます。
ゴシック体や明朝体に比べると、もう見た目が全然違いますよね。
ただ、先ほども書いたように、図面内で表現する文字で重要なのは、正確な表記である事と見やすい表記である事です。
たとえ明朝体からSHXフォントに変わったとしても、図面として重要な正確さと見やすさを維持することは出来るんですよね。
もちろん図面内の文字を明朝体で表現しても構わないのですが、そこまでしても印刷する図面の見た目が大きく変わるという事はありません。
そうであれば、シンプルなSHXフォントを使った方が良いのではないか、というのが当サイトの考え方になります。
具体的なSHXフォントの設定方法については次回に詳しく説明をします。