前回はオートキャド(AutoCAD)のコマンドを実行する方法として、それそれ与えられたコマンド名を直接キーボードから入力するやり方を紹介しました。
時には「長っ!!」と悪態をつきたくなるくらい長いスペルのコマンド名、例えば「CONTENTEXPLORERCLOSE」とかが存在します。
全然使わないコマンドなので入力する可能性は低いですけど、同じくらい長いコマンド名は結構あるんですよね。
このように、コマンドによって実行までの手間が変わるのが難点ですね。
このやり方をメインにすると、キー入力が早くなりそうな気がします。
そう思ってしまうくらい入力の手間がかかるので、ちょっとメインのやり方として採用するには勇気がいります。
今回はそんな欠点を解消したキーボード入力のやり方を紹介します。
□コマンドエイリアス(短縮コマンド)を利用する
オートキャド(AutoCAD)のコマンドを実行する際に、コマンド名を全て入力するのではなく、設定してある一文字とか二文字だけを入力する。
このやり方が今回紹介する「コマンドエイリアス」で、短縮コマンドと呼ぶこともあります。
どちらかと言うと短縮コマンドの方が直感的な名前ではないかと思います。
エイリアス(alias):別名
エイリアスにはこのような意味があるので、コマンドエイリアスでも何となく意味は通じる気がしますが、私の知識では正直あまりピンと来ないです…
とまあ呼び方はさておき、実際に使ってみると結構便利に感じるのではないかと思います。
例えば線分コマンドと移動コマンドを実行しようとした場合、通常のコマンド入力であればそれぞれ「LINE」と「MOVE」の入力が必要になります。
しかしコマンドエイリアス機能ではそれぞれ「L」と「M」の入力で済んでしまいます。
線分「LINE」コマンドも移動「MOVE」コマンドも、スペルとしては四文字と短めなので、入力自体はそこまで手間ではありません。
しかしそうは言っても1文字入力で済むやり方に比べると、どう考えてもコマンドエイリアスの方が便利だと感じるのではないでしょうか。
コマンドエイリアスのメリットは、やはりマウスを作図画面に留めたままコマンドを実行出来るという点にあります。
これは通常のコマンド入力と同じメリットで、そうすることによってマウスに無駄な動きがなくなって効率的な操作が実現します。
ちょっと極端な比較ですが、リボンメニューに用意されている線分コマンドをクリックするやり方では、以下のような動きでコマンドを実行することになります。
マウスをボタンまで移動 → ボタンをクリック → 画面上にマウスを戻す
一方コマンドエイリアスを使った場合は、以下のような動きに。
「L」と入力 → 「Ente」(もしくはマウスの右クリック)
このような流れになるので、カーソルを別の場所まで移動する必要がありません。
実際に操作してみると、マウスを目的地(という表現が適切かは分かりませんが…)まで移動させながらコマンドを実行することが出来る。
この操作を洗練させるとかなり操作がスムーズになるのでおすすめです。
コマンドエイリアスのデメリットは、前回紹介したコマンド入力と同じです。
全角半角の切り替えが意外と面倒というか、全角入力を使ってしまいコマンドが実行されないことが結構あってストレスが溜まるという点。
また、あらかじめコマンドエイリアスに設定していないコマンドは使えないので、全ての機能をコマンドエイリアスで実行するのは難しいという点。
大量にある全てのコマンドを登録するのが難しいのは仕方がないですけどね。