前回は最新版のオートキャド(AutoCAD)を使う為の方法として、サブスクリプション契約について少し考えてみました。
最初にまとまった金額を支払ってソフトを購入すると、その後の支払いがないので長い目で見れば安価になるかも知れません。
しかしそうすると、年々そのバージョンは確実に古くなっていき、最終的には「まだそのバージョンですか…」という状態になる危険性もあります。
オートキャド(AutoCAD)LTの契約をする事を考えると、月額5千円程度の出費になる訳で、それで新しいバージョンを使えるのは大きい。
もしその月額5千円を「ちょっと高いな…」と感じるようであれば、オートキャド(AutoCAD)を使った仕事を継続するのは難しいかも知れません。
やっぱり毎月固定で出て行く金額というのは落ち着かないものがあるので、そうした固定出費を減らしたいと考える気持ちがあるのは分かりますが。
プロとして仕事でオートキャド(AutoCAD)を使うのであれば、ある程度のコストは受け入れた方が良いのではないかと思います。
仕事をしていると時々「2000バージョンで保存したデータを送って欲しい」と言われる事がありますけれど…
それを聞くと、15年以上前のバージョンを使って仕事をしている感覚が上手く掴めなくて、私はどうしても少し戸惑ってしまいます。
もちろん考え方はそれぞれなので、私がどうこう言うべき事ではないですけど。
さて、そんなオートキャド(AutoCAD)のバージョンについての話はこのくらいにしておき、今回は作図したデータを保護する事について考えてみたいと思います。
タイトルでも書いているように、作図した図面データをどのようにバックアップしていくのか、という話です。
まずは作図した図面が「dwg」という拡張子を持ったデータで管理される事についてですが、これ自体は非常に便利なやり方である事は間違いありません。
仕事をしている相手に図面をメールで送る事が出来るし、簡単にデータをコピーして別の図面として編集をする事も出来る。
そうした自由度の高さこそが図面をデータで管理する事の大きなメリットで、これは紙ベースの図面では考えられなかった事です。
ただ、非常に良い側面がある事には、それと同じくらい良くない側面があるもので…
図面をデータで管理する場合の大きな問題点は「パソコン内部の問題でデータが破損する可能性がある」という部分にあります。
これはそんなに頻繁に起こるような事ではありませんが、パソコンが壊れて起動しなくなった、という経験を持っている方は結構いるのではないでしょうか。
そうした場合に、パソコン内部に保存してある図面データが全て壊れてしまい、二度と開けなくなってしまうという危険性があるんです。
それを「滅多にない事だから」という感じで、その危険性を無視していると、いつか非常に痛い目にあってしまう可能性が高いです。
パソコンはいつか壊れるものだというのは間違いのない事実で、オートキャド(AutoCAD)を使った仕事はずっと続けるものです。
それを考えていくと、いつか仕事をしている時にパソコンが壊れてしまう、という事はかなり現実としてあり得る話に感じるはずです。
かなり低い確率ではあるものの、そうした状況になる事が現実としてあり得る。
という事を意識していくと、オートキャド(AutoCAD)で作図した図面データを保護しておく必要があるのではないか、という結論になる。
その為の具体的な方法については次回に取り上げますが、まずはこうしたデータで管理するという事の危険性について意識してみる事をお勧めします。