AutoCAD(オートキャド)を高いレベルで使いこなせる事が当面の目標としてあって、その先にも覚える事がある、という話を前回は取り上げました。
CADはあくまでも図面を作図する為のツールですから、ツールを使うだけではなく、図面の内容などにも踏み込んで勉強をしていった方が良いです。
これはCADを覚える前であればピンと来ないかも知れませんが、実際にCADを使った仕事をしてみれば「そうか」となるのではないかと思います。
それを感じるのは少し寂しい事かも知れませんが、自分にはまだ足りない部分があることを知って、それからまた勉強をしていく。
そうした流れになることを願いつつ今これを書いています。
昔は図面を手で描く時代だったので、少し昔の図面というのはほぼ間違いなく手書き図面の青焼きというような状況でした。
そうした手描きの図面をCADデータ化するという仕事が結構多かったので、CADを使える事で仕事の量は多かったと記憶しています。
しかしCADが普及している今現在、手描きベースの図面をCAD化するという仕事はそれほど多くはない、というのが現実ではないかと思います。
もしそういった仕事があったとしても、継続的にある訳ではなかったり、その仕事を狙っている人が多かったりすると、あまりうまみのある仕事にはなりません。
もう少し明確な表現をすると「それでは食べていけない可能性がある」という事です。
ライバルが多い場合は圧倒的なスキルと成果物で差を付けるか、もしくは価格的な面で差を付けるかのどちらかになる訳ですが、なかなか成果物では差がつかないものです。
そうなると「単価が安い方に発注した方が良い」みたいな状況になって、それがエスカレートすると結構厳しい状況になってしまいます。
在宅勤務で図面を作図する仕事は、その性質上「1枚いくら」という契約になる場合が多いです。
どのように仕事に取り組んでいるかが分からない以上、完成する図面の枚数を成果と考えるしかないですから、これはごく自然な事だと言えるでしょう。
しかし競争が激しくなると1枚あたりの図面単価は安くなる一方です。
ネットがつながっていればどこでもCADで作図が出来る、という部分がメリットだと思ったら、人件費の安い海外で作図する方と価格競争をする事になる場合もあります。
そうなると恐らく価格では太刀打ち出来ない状態になるのではないかと思います。
これではせっかく覚えたCADのスキルがなかなか生かせない可能性もあります。
そうであれば、少なくなったパイを奪い合うのではなく、自分のスキルに付加価値をつけてステップアップした方が良いのではないか。
これが当サイトの、というか私の考えになります。
図面というのは様々な業種の図面があって、それぞれに必要となる知識は全然違ってくるはずですから、非常に奥が深い世界があると思います。
そうした奥の深い世界についてある程度の知識を持っていると言うことは、プロとして非常に価値があるのではないでしょうか。
そして、どのような業種の図面を作図する場合でも、CADのスキルが高いという事はどんな場合でも大きな価値があるものです。
CADの高いスキルと図面に関する深い知識を併せ持つことが出来れば、それは非常に価値の高いスキルになるはずだと思っています。
CADを覚える事は確かに目標になり得るものですが、仕事をしていく上での最終目標には設定しにくい、という現実がある訳です。
同じような事を言葉を変えてしつこく書いていますが、こうした現状と、覚えた先にも目標があることを知っておいた方が絶対に成長は早いと思って書いています。
身近な目標も大切ですが、ずっと先の目標を見据える事も同じくらい大切な事ですから。